2月4日(土)11:00~、15:00~、5日(日)11:00~の計3回の実施がありました。
お一人で3回というのは珍しいですね。今回はそのうち2回見ていて、うち1回は立ち見です。
ちなみに写真撮影は可能でしたが、ブログ等への掲載は不可とのことだったので、
私が分かる限り、ケストナー氏の仰ったことを書きだしていこうと思います。
ちなみにケストナー氏は、看板の画像まったくそのままの(本来当然のはずですが)、
精悍な顔立ちをされていました。
ケストナー氏はあまりご自分から話される方ではないようで、
基本的に司会の方からの質疑応答形式となりました。
以下、質問と、「 」内がケストナー氏の回答です。
背が高くて「イケメン」ですが、モデルにスカウトされることはないですか?
「(苦笑いで)ありません」
サロン・デュ・ショコラのムックに、ニックネームが「キラー(殺し屋)」とありますが、なぜですか?
「パティスリーのワールドカップの際、3人のチームだったが、
黙々と仕事をしていたら、周囲に「いつか殺される」と思われたため」
2003年のMOF(Meilleur Ouvrier de France、国家最優秀職人賞)取得は、
どういう部分を認められたためだと思いますか?
「非常に素晴らしいタイトルで、ありがたいと思う。古くからの基礎的な知識や技術に加えて、
自分のオリジナリティが認められたためだと思う」
MOF取得によって何か意識の変化はありましたか?
「これが結果ではなく、ここから飛躍していくためのものだと思う。そのおかげで日本に来て、
こうして話すことのできる立場になったり、自分が尊敬していた方々にお会いできるようになったりと、
素晴らしい賞だと思っている。」
ショコラに対しての影響はありましたか?
「賞をもらったことで、より飛躍するために新しい技術や知識を習得を心がけている」
当初は料理人になろうと思っていたところを、お父様の助言でパティシエになられたそうですが、
なぜ料理人になろうと思ったのですか?
「家がお店をやっていたので、あまり子供の面倒を見られなかった。子供の頃から食事の支度等は自分でしていたが、
フランスでは16歳になると進路選択があり、そのときに料理人を志した」
ショコラティエという職業の魅力はどんなところにありますか?
「デザインを芸術的に仕上げたり、また味覚を成長させて食材の組み合わせを考えていくところも魅力だと思う」
お話させていただいて、ケストナー氏は寡黙な方のようですが、
お仕事の中でどんなときに「おいしい!」「すごい!」等の感情が現れますか?
「自分は初対面の人に身構えるところがあるので、少し話しただけでは寡黙のように見えるかもしれないが、
深く付き合えばまた違った面も出ると思う。仕事の面では、思い通りに進んだり、チームワークがよいとき等に、
嬉しいと思うことがある。また自分は失敗に対して当たり散らすタイプではなく、冷静に対応するようにしている」
何か息抜きなどはされますか?
「旅行が好きで外国に行ったり、友達と過ごすこともある。才能があると褒められることもあるが、
他を犠牲にして努力しなければいけないこともある。それが苦労かというとそうではなく、
乗り越えたときの達成感もあり、それが息抜きになることもある」
「フランク・ケストナー」のショコラの特長を言葉にしていただけますか?
「言葉で説明するとすれば「絶妙なバランス」。何が強い、弱いではなく調和させるということ」
新作のショコラを説明してください。
「プラリネアマンド」

「アーモンドを焙煎してキャラメリゼしたもの。元々は他のショコラの材料だったが、
それ自体を味わってもらいたいと思った。」
4種のアソート

「全て宝石にたとえている。黄色はトパーズ。洋ナシとサフランのガナッシュ。
緑はエメラルド。ライムとミント。赤はルビー。フランボワーズとねずの実。紫はサファイヤ。抹茶」
18種アソート

「18種のうち、左上が新作の「サスペンス」。ヘーゼルナッツに口の中で弾ける食感を加えた」
試食について

「コンプリス」

「東京での開催10周年のために作った。プラリネとショコラノワールの2層で、
対照的なものを一つにまとめている」
「カンテサンス」

「アーモンドプラリネとカカオ豆を砕いたヌガティーヌ。
2002年にショコラの大会(?)でグランプリ受賞の作品」
会場からの質疑応答になり、なかなか手が上がらず、
「(笑いながら)自分よりも内気だ」
自信作はありますか?
「作るたびに状況も思い入れも違うので難しい。最新のものが印象に残ることは多いが、
それは自分の子供の誰ががいちばんいいか、というのと同じで、みんな自分の子供と同じだ」
旅行で日本に来たことがありますか?
「東京や京都、大阪、名古屋等、仕事で来ることが多いが、いずれ休暇でゆっくり見たい」
最後に
「これからもよいものを作っていきたい。人間らしさと喜びを与えていけるショコラを作りたい。
できればいつか日本にも出展したいと思っている」
以上がおおむねの内容(のはず)ですが、私の参加した2回分が混在したりしています。
やや言葉少なのようではありましたが、心構えや着想について等、
興味深いお話を伺うことができました。
他のショコラティエの方もそうですが、ぜひまた札幌に来てほしいですね。
さて…ブースの在庫状況については、
セレクションは10ANS、10DESIRSが品切れ、
インポートブランドではユーゴ&ヴィクトールの「カルネジャポン10ANS」、
パトリック・ロジェ「カラー」、フィリップ・ベル「キャラメルセミリキッドショコラ」、
あとはフェルベールさんの「果樹園のフルーツ(4個入り)」が品切れでした。
ロワゾー、リゴロ等、初参加組が残っているのは意外なところです。
めぼしいものは売り切れてきましたね。期間中、…もう少し覗いてみたいと思います。